LLMO対策を頼もうと2社に見積もりを取ったら、月15万円と月80万円で桁が違った。何が違うのかを聞いても、説明を聞くほど分からなくなる——初めてAI検索対策の見積もりを取ると、まずこの「基準のなさ」に戸惑うはずです。
結論から言うと、LLMO対策の費用は「対策のレベル」ではなく「誰がどの作業をやるか」で決まります。同じ「LLMO対策」という名前でも、中身はレポートを毎月メールで送るだけの契約から、サイト改修・記事制作・外部メディアへの露出交渉まで全部やる契約まであります。まったく別のサービスが、同じ言葉で売られているのです。だから金額だけを並べた比較には意味がありません。
この記事では、費用の内訳、月額レンジごとに何が変わるか、そして見積書のどこを見れば判断できるかを整理します。想定している読者は、愛知・岐阜・三重・静岡の中小企業で、初めてLLMO対策の発注を検討している経営者・Web担当者の方です。

なぜLLMO対策の見積もりは10倍も違うのか
LLMO(大規模言語モデル最適化)そのものの説明はLLMO対策とは?AI検索で選ばれるために何をするのかに書いたので、ここでは費用の話に絞ります。
見積もりが10倍違う理由は、この領域に共通の「作業の単位」がまだ無いことです。ホームページ制作なら「何ページ作るか」、システム開発なら「何人月か」という共通言語があります。LLMOにはそれがなく、各社が自分の得意な作業を組み合わせて同じ名前で売っているため、金額は比較できても中身は比較できない状態になっています。
ただし、支援会社の提案資料を横断して見ると、商品の組み立て方はどこも似ています。入口に安価な診断を置き、本命は月額の継続支援、記事制作や実装は別料金のオプションという3段構えです。診断が無料の会社もあるため、そこだけを見て「安い会社」と判断すると後から膨らみます。総額は必ず「初期+月額×契約月数+オプション」で出してください。
費用の内訳——5つの作業に分解して見る
LLMO対策の作業は、次の5つに分けられます。見積書がこの粒度で書かれていないなら、それは見積書ではなく金額の提示です。
| 作業 | 何をするか | 費用の目安 |
|---|---|---|
| ①初期調査・現状把握 | AIに何十〜何百個の質問を投げ、自社と競合がどう答えられているかを調べる。サイトの技術面(見出し構造・構造化データ・サイトマップ・表示速度)の点検も含む | 無料〜120万円(30〜60万円が中心帯) |
| ②サイト側の実装 | 構造化データの実装、見出し階層の修正、FAQページや比較ページの新設、llms.txtの設置、表示速度の改善 | 10〜50万円(規模で変動) |
| ③コンテンツ制作 | AIが引用しやすい形の記事・事例・FAQを作る、既存記事のリライト | 記事10本で80〜165万円(1本8〜16万円) |
| ④外部での言及づくり | 他メディアへの掲載、PR、note等での発信、Wikipedia・Wikidataの情報整備 | 月10〜50万円/PR案件は別途 |
| ⑤計測・レポート | 毎月同じ質問をAIに投げ続け、言及数・引用数の推移を出す。報告ミーティング | 月15万円〜/ツール利用料が別建てで月10万円前後の会社もある |
注目してほしいのは④です。生成AIは自社サイトの中身だけでなく、第三者が自社について何を書いているかを強く参照します。つまり自社サイトの改修だけで完結する提案は、構造上いちばん効く部分が抜けているということになります。逆に④まで含む会社は当然高くなります。月15万円と月80万円の差は、品質ではなく作業範囲の差です。
なお学術研究の側でも、コンテンツの書き方を変えることで生成AIの回答での可視性が最大40%向上したと報告されています(GEO: Generative Engine Optimization(KDD 2024))。効くのは小手先の細工ではなく、コンテンツそのものの整え方だという結果です。
月額レンジ——安い・高いで何が変わるか
月額の継続支援は、金額によって「誰が手を動かすか」が変わります。
| 月額 | 含まれるもの | 手を動かすのは |
|---|---|---|
| 月10万円未満 | 計測レポートの提出のみ、または既存のSEO契約への付帯オプション | ほぼ自社 |
| 月10〜30万円 | 月次の計測レポート+改善提案+実装のサポート。小規模サイト向けの標準帯 | 自社が中心、要所を支援会社 |
| 月30〜60万円 | 計測に加え、サイト実装とコンテンツ改善の代行まで。測る質問の数も増える | 支援会社が中心 |
| 月60〜120万円 | 上記+PR・外部メディア露出・Wikipedia整備まで含む包括支援。専任チーム体制 | 支援会社(社内は窓口のみ) |
契約期間は6〜9ヶ月からという会社が多く、上位プランほど長い縛りが付きます。これはLLMOが短期で結果の出る施策ではないことの裏返しですが、発注側から見れば「効果が見えないのに9ヶ月払い続ける」条件でもあります。
そして選ぶレンジを決めるのは、予算より社内の稼働時間です。担当者が兼任で月に数時間しか使えないなら、「提案はもらうが実装は自社」という契約は提案書が溜まるだけで終わります。社内で何時間動けるかを先に見積もってから、レンジを選んでください。
これが入っていない見積もりは要注意
金額の妥当性は、次の項目が書かれているかどうかで判断できます。見積もりを受け取ったら、この順に確認してください。
- 測る質問(プロンプト)の本数と、その一覧をもらえるか。 毎月同じ質問で測らないと推移が意味を持ちません
- どのAIを測るか。 ChatGPT・Gemini・Perplexity・Google AI Overviews・Copilotのどれを対象にするか。1つだけの計測は判断材料になりません
- 「言及」と「引用」を分けているか。 回答文に社名が出る(言及)ことと、出典URLとして載る(引用)ことは別物で、サイトへの流入に直結するのは後者です
- 競合との比較が入っているか。 自社が5回言及された、だけでは良いのか悪いのか分かりません
- サイト側の実装は誰がやるか。 「提案します」と「実装します」は別料金です
- コンテンツは誰が何本書くか。 月何本、誰が取材するのかまで
- 外部での言及づくりが範囲に入っているか。 前述のとおり、ここが抜けると効きづらい
- ツール・API利用料は月額に含まれるか、別建てか。 別建てで月10万円前後かかる例があります
- 契約期間と中途解約の条件。 違約金の有無まで
そして、契約前に防げる失敗をまとめておきます。
| よくある失敗 | 契約前に見える兆候 | 対策 |
|---|---|---|
| レポートが毎月届くだけで、サイトは何も変わらない | 提案書の施策が「〜を検討しましょう」で終わっている | 実装作業を月何時間見込んでいるか、見積書に書いてもらう |
| 記事を大量に作ったのにAIに引用されない | 施策が自社サイト内だけで完結している | 外部での言及づくりが範囲に入っているか確認する |
| 数字が動いたが、なぜ動いたのか誰も説明できない | 測る質問の一覧を出してくれない/毎月変わる | 質問を固定し、一覧を契約書の別紙にする |
| 予算が想定の1.5倍になった | 「別途」「実費」の記載が小さい | 初期・月額・オプション・ツール料の総額を月換算で出してもらう |
| 効果が見えないのに解約できない | 9ヶ月縛り・自動更新・違約金 | 初回は短期契約にして、更新時に判断できる形にする |
「成果保証」をうたう業者に注意すべき理由
「ChatGPTで自社が出てくるまで保証します」という提案を受けたら、いったん止まってください。この保証は、原理的に成立しにくいものです。
理由は3つあります。第一に、生成AIの回答は同じ質問をしても毎回変わり、検索順位のように「今日の状態」を第三者が確認できる公的な指標がありません。第二に、モデルの更新で回答傾向が丸ごと変わります。昨日まで名前が出ていた会社が出なくなることは普通に起きます。第三に、AIが引用するのは自社サイトだけでなく第三者のメディアや口コミで、そこに何が書かれるかは支援会社にもコントロールできません。
実際、この領域で提案資料を出している支援会社は、上場企業を含めて、言及数・引用数・順位・成約数といった成果を保証しない旨を明記しているのが通例です。売っているのは成果そのものではなく、測る仕組みと改善のサイクルです。業界の上位が揃って保証しない領域で保証を約束する業者がいるなら、何を保証し、未達のとき何をどこまで返金するのかを契約書で確認してください。そこを書けないなら、保証は営業トークです。
なお、こうした業者の存在は「LLMO対策は意味がない」という評判の一因にもなっています。この論点はLLMO対策は「意味ない」と言われる理由で詳しく扱っています。
一般論の限界——東海の中小企業が始めるなら、この順番
ここまで相場を書いてきましたが、正直に言えば、相場の中心帯である月30〜60万円という水準は、東海エリアの中小企業にとって現実的な金額ではないことが多いです。この価格帯は、全国区のBtoBブランドや上場企業を想定して組まれています。
東海の会社の事情は違います。この地域には、自動車部品・機械加工・金型といった現場系の製造業が集積しています。こうした会社は、そもそも自社名で指名検索される回数が多くありません。代わりに起きているのは、発注側の担当者がAIに「この材質のこの加工ができる会社を教えて」と聞き、出てきた数社に問い合わせるという流れです。指名検索が少ない会社ほど、AIの回答に載るかどうかで問い合わせの母数が変わります。にもかかわらず、社内にWeb専任がいない会社が大半で、月60万円の包括支援を受け止める体制もありません。
株式会社Central AXは、この現実に合わせてLLMO対策を月10万円からで提供しています(料金プラン)。相場の下限を下回る設定にしているのは、東海エリアの中小企業が「最初の一歩」として踏み出せる金額にしたいからです。当社はAIの実装を本業にしているので、構造化データの実装やサイト改修も外注せず自分たちで手を動かします。提案書だけを置いて帰る形にはしません。
もう一つ。名古屋に拠点があるので、愛知・岐阜・三重・静岡なら訪問して、実際にどんな問い合わせが来ているか、営業の方が客先で何を聞かれているかを見ながら設計できます。東京のオンライン完結型の会社は、画面共有で30分話して施策リストを渡すところまでです。AIに聞かれる言葉は、その会社の商圏と取引の実態から出てきます。現場を見ないと測る質問のリストが作れない、というのが当社の考え方です。
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よくある質問
Q. 最も安く始めるなら、いくらからできますか。 A. 有料の支援の前に自社でできることがあります。ChatGPTやGeminiに「(業種)で(地域)のおすすめの会社」と聞き、自社が出てくるか、競合がどう説明されているかをメモに残す。これだけでも現状把握になります。そのうえで頼むなら、月10万円台の計測+改善提案が入口です。診断だけを単発で受けても、実行しなければ何も変わりません。
Q. SEOとLLMO、どちらを先にやるべきですか。 A. 順番で言えばSEOが先です。生成AIの多くは検索インデックスを経由して引用元を選ぶため、検索エンジンに正しく認識されていないサイトはAIにも拾われません。すでにSEOをやっているなら共通作業が多く、追加コストは抑えられます。既存のSEO契約に月20万円程度を上乗せしてLLMOを足す形のプランを出す会社もあります。
Q. 契約期間はどれくらい見ておけばいいですか。 A. 業界の標準は6〜9ヶ月ですが、初回はもっと短く区切ることをおすすめします。効果が出るまで時間がかかることと、長期契約を結ぶことは別の話です。3ヶ月で「測る仕組みが動いているか」「改善が実際に実装されたか」を確認し、そこから継続を決めればリスクは小さくできます。
Q. 月10万円と月60万円で、成果はどれくらい違いますか。 A. 金額に比例するとは限りません。差が出るのは手を動かす量です。社内に記事を書ける人・サイトを触れる人がいるなら、月10万円台で計測と方針だけ外に持たせる形が効率的です。逆に社内に誰もいない会社が安いプランを選ぶと、提案が実行されないまま費用だけ出ていきます。
まとめ
LLMO対策の費用は、初期の診断が無料〜120万円、月額の継続支援が月10〜120万円、記事制作が10本で80〜165万円というのが公開されている料金の幅です。10倍以上の開きがありますが、これは品質の差ではなく作業範囲の差です。
だから判断は金額ではなく、見積書に書かれている中身で行ってください。測る質問の本数と一覧、対象にするAI、言及と引用を分けているか、サイト実装を誰がやるか、外部での言及づくりが入っているか、ツール利用料が別建てか、契約期間と解約条件。この7つが書かれていない見積もりは、比較の対象にできません。
そして成果保証をうたう提案には慎重になってください。生成AIの回答は毎回変わり、モデル更新で傾向も変わります。業界の上位企業が揃って保証しない領域です。
社内に手を動かす人がいるかどうかで、選ぶべき金額帯は変わります。Central AXは東海エリアの中小企業向けに月10万円からで提供していますが、まずは「他社の見積もりが妥当かどうか」の相談だけでも構いません。初回30分の事業相談は無料です。