先に、法人にとって一番重要な事実から書きます。

GitHub Copilotの個人プラン(Free / Pro / Pro+ / Max)は、2026年4月24日以降、入力・出力・コードの断片がモデルの学習に使われうる状態です(設定でオプトアウト可能)。

一方、Business / Enterprise プランでは学習に使われません。 GitHubの公式ドキュメントに「GitHub does not use Copilot Business or Copilot Enterprise customer data to train AI models」と明記されています。

同じツールなのに、契約の形でデータの扱いが逆転します。

社員が個人契約のCopilot Proを業務のパソコンで使っている——という状態は、多くの会社で起きています。この記事は、そこから話を始めます。

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料金と、何が含まれるか

2026年8月時点で公式サイトを確認した内容です。

GitHub Copilot

プラン 価格 学習利用
Free $0 されうる(設定でオプトアウト可)
Pro $10/月 されうる(同上)
Pro+ $39/月 されうる(同上)
Max $100/月 されうる(同上)
Business $19/シート/月 されない
Enterprise $39/シート/月 されない

Claude Code(Claudeの契約に含まれる)

プラン 価格 学習利用
Free $0 Claude Codeは使えない
Pro 年払い $17/月・月払い $20 設定次第で使われる
Max $100/月〜 設定次第で使われる
Team 年払い $20/席/月・月払い $25 使われない(商用条件)
Enterprise $20/席+使用量はAPI料金 使われない(商用条件)

価格は改定されます。契約前にGitHubAnthropicの公式ページでご確認ください。ドル建てで、日本の顧客には別途消費税10%がかかります。

両者に共通する構造があります。個人プランは設定任せ、法人プランは契約で担保。 ツールを選ぶ前に、まずここを揃えてください。

できることの範囲が違う

「Copilotは補完ツール」という理解も、いまは正確ではありません。すでにエージェント機能を持っています。

GitHub Copilotが現在提供しているもの:

  • インライン補完・次の編集の提案(従来からのもの)
  • Copilot Chat
  • IDE内のAgent Mode
  • Copilot CLI(ターミナルで動くエージェント)
  • Copilot cloud agent(Issueを渡すと、自律的に実装してプルリクエストまで作る)
  • Copilot code review

つまり両者とも「エージェント」です。では何が違うのか。動く場所の広さです。

Copilotの守備範囲

GitHubを中心に設計されています。 強いのは、リポジトリ・Issue・プルリクエスト・CIといったGitHubの世界の中です。すでにGitHubで開発している会社なら、権限管理も監査ログも既存の仕組みの延長で使えます。

ただしcloud agentには明確な制約があります(公式ドキュメント記載)。

  • 1セッション最大59分
  • 複数リポジトリを横断した作業はできない
  • GitHubでホストされているリポジトリのみ

Claude Codeの守備範囲

手元のパソコンとその周辺です。 GitHubの外にも出られます。

  • 手元のあらゆるファイル(テキスト、表計算、設定ファイル、PDF)
  • MCPという仕組みで、Google Drive・Jira・Slackなどの外部サービス
  • ログの解析、翻訳、大量ファイルの一括処理といったリポジトリ外の作業
  • Chat・Coworkと同じ契約なので、開発以外の部門も同じ席で使える

この差が「できることの範囲が違う」の中身です。 Copilotは開発の中で深く、Claude Codeは開発の外まで広く、という住み分けになります。

非エンジニアが使えるか

ここは明確に差が出ます。

GitHub Copilotは開発者向けの製品です。 GitHubアカウントとリポジトリが前提で、営業部門や経理部門に配る想定はされていません。

Claude Codeは、デスクトップアプリならターミナル不要で、同じ契約にChat(ふだんのチャット)とCowork(コード以外の自律作業)が含まれます。開発者以外にも配れるというのが構造上の違いです。

詳しくはClaude Codeと他ツールの違いに、Cursor・Cline・Codexとの比較とあわせてまとめました。

知的財産の補償

法務が気にする論点なので触れておきます。

GitHubは公式に、フィルタ機能を有効にした状態で提示された未改変の提案について、知的財産の補償(IP indemnification)を明記しています。 Business / Enterprise の特徴として挙げられています。

Anthropic側については、公式ページ上で同等の記載を確認できませんでした。 「補償がない」という意味ではなく、公開情報からは確認できなかったということです。この点が重要な会社は、契約前に直接確認してください。

併用はどう考えるか

GitHubは自社プラットフォーム上で他社のエージェントを動かす方向に舵を切っています。公式サイトには「assign tasks to agents like Copilot, Claude by Anthropic, and OpenAI Codex」と書かれています。

つまり、競合というより階層が違います。

  • GitHub Copilot = すでに使っているGitHubのアドオン
  • Claude Code = AIアシスタント本体の契約(会社全体に広がりうる)

同じ人に両方渡せば二重契約です。1人あたり月$19+$20+消費税。10人なら年間で約73万円(1ドル155円換算)。

現実的な判断は次のとおりです。

  • すでにGitHub Enterpriseを使っていて、開発者だけがAIを使う → Copilotで完結する
  • 開発以外の部門にも広げたい → Claude側。開発者にだけCopilotを足す形もある
  • 社内に開発者がいない → Copilotは不要。Claude一本

東海の会社で確認していること

当社が愛知・岐阜・三重・静岡でご相談を受けるとき、必ず最初に聞くのがこれです。

「いま、誰かが個人のカードでAIツールを契約していませんか」

かなりの確率で「はい」と返ってきます。現場が先に使い始めるのは自然なことで、それ自体は悪くありません。ただし、そのままにしておくと3つの問題が残ります。

  1. データが学習に使われうる(個人プランの既定)
  2. 退職時にアカウントごと消える
  3. 適格請求書が会社宛に出ないので、消費税の仕入税額控除を取り逃す

3つ目は意外に知られていません。詳しくはClaude Codeの料金|法人契約で詰まる5つのことに書きました。

ツールの優劣を比べる前に、まず契約の形を整える。 これが順番として正しいと考えています。

よくある質問(FAQ)

Q. Copilotは補完だけのツールではないのですか?

A. 違います。Agent Mode、CLI、cloud agent などのエージェント機能を持っています。

Q. 個人プランで業務利用するのは違法ですか?

A. 違法ではありませんが、データが学習に使われうる設定が既定であること、監査ログが取れないこと、退職時にアカウントが失われることがリスクになります。

Q. GitHubを使っていない会社でもCopilotは使えますか?

A. GitHubアカウントが前提です。使っていない会社が新たに導入するなら、Claude側のほうが導入は軽くなります。

Q. 両方入れるべきですか?

A. 開発者にCopilot、全社にClaude、という配り方なら重複しません。同じ人に両方渡すと二重契約になります。

Q. どちらのほうがコードの品質が高いですか?

A. 両方ともClaudeのモデルを使えるため、モデルの差より使い方と渡す情報の差のほうが大きく出ます。

まとめ

  • Copilotの個人プランは学習に使われうる。Business / Enterprise は使われない。 同じツールで扱いが逆転する
  • Claude Codeも同じ構造。個人プランは設定任せ、Team / Enterprise は契約で担保
  • Copilotは GitHub の中で深く、Claude Code は GitHub の外まで広く
  • cloud agentには「1セッション59分」「複数リポジトリ不可」「GitHubホストのみ」という境界がある
  • 開発者以外にも配るならClaude側。Copilotは開発者向けの製品
  • ツールを比べる前に、個人契約を法人契約に整えるのが先

「社員が個人契約で使っている状態をどう整理するか」からご相談いただけます。愛知・岐阜・三重・静岡であれば、現場に伺います。

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